潜在能力

No. 2 潜在能力

私が意識している潜在能力は、二つある。

一つは、「持って生まれた力」、もう一つは、「自分で開発する力」である。

幼少の頃から特殊な才能を発揮したり、自分が強く惹かれることに夢中になったりしている子供も多くいる。
また、成人してからその才能を急激に発揮する人もいるから、その能力がすべて子供の頃に分かるとは限らない。

しかし、親が注意深く子供の意識を見きわめる力によって、子供の隠れた才能が生かされる事は多くある。

特殊な能力は、前世からの無意識的引き継ぎが強く出ているものである。
その人の潜在意識層に、生まれつき特殊な能力が普通の人以上に入っていることになる。

このような見方をすると、我々が強い意志を持ち一つの目的に向かって一生通していけば、それが来世に持ち越され、そのときの気付きによって実現に向かうか、さらに継続していくことになるのである。

人間は、自分の強い意志と努力によって、いつかは自分の望んだものを実現できる事になる。
結局、すべては創られたものなのだ。
そして、今ある自分も自分が過去世において創った結果ということになる。

それを無視して、「神は不平等だ」はない。
それとも我々は、神の気まぐれで創られたというのか。
何のために、そうであるのなら「神は不平等」である。

このような意識に関わる事を、さらに探究していくといろいろな秘密が見えてくるようになる。
そして、それを確信させてくれるのが、潜在意識の徹底した理解である。

次に、「自分で開発する力」について説明する。
生まれつきの能力がないからと言って、どうする事も出来ないという程、人間は無力ではない。

それは、「自分の望む事や、実現させたい事に力をもたらす潜在力」のことである。

それは来世のことではなく、この人生のいつかと言う事である。
この段階は、魂的、霊的な意識が関係することで、その意識状になるには十分な潜在意識の理解が必要である。

しかしここまで行かなくても、我々の意識的理解が深まるにつれて、その力は少しずつ発揮されるようになるのである。

これは、個人的実践を通してのみ分かる事である。

我々は、この能力に近づくためにどのようにして潜在意識を理解していけばいいのか、また潜在意識というものの理解を遅らせる原因は何かということを知らなければならない。

潜在意識を理解するためには、潜在意識の説明より、その理解を妨げる思考を知った方が早い。

結論から言えば、自分の固定観念が、自分の意識を大混乱させているのである。
この大混乱は、潜在意識までおよびその結果、裡にある力が出てこられないのである。

心とは何か、意識とは何か、ほとんどの人は、自分自身のものでありながら答えられない。
これだけでも、人間は不思議な生き物である。

前にも言ったが、潜在意識は知識ではなく「意識」であり、自分の正体ということである。
それを知識でどう理解しようというのか。

この世に、簡単に出来る事はないし、努力をしないで得られる物もない。
努力は、苦しむためのものではなく、何かを気付くために必要なのである。