潜在意識開発(3)

No. 8 潜在意識開発 (3)

私は、今回のテーマを「潜在意識開発」としたが、まだその方法について何も述べていない。

また、その方法を説明するとも言っていないが、私が思う潜在意識開発とは、本来そのような言葉も決まりきった方法も無いということなのである。

たとえ私が潜在意識開発法として説明するにしても、やはりこれまでのように潜在意識に関する話を述べ、そして徐々に深い内容に入って行くだけである。

私は、潜在意識を理解していく段階を全体的に見て、この方法が一番いいと考えている。

私があえて潜在意識開発という言葉を使うのは、他の言葉に比べ潜在意識を知るという意味で、一般的に分かりやすいと思っているからである。

潜在意識を理解するには、順序を考慮しなければならない。

その順序は、体―脳―心―意識―深層意識―潜在意識―無意識という順である。

無意識の次は霊の世界であり、その中で関わるものは順序がつけられない。

私は、いつも人間の体と精神をこのように分類し、それに関わる物事をこの順序に従って考察し推測しているのである。

ただこの分類が、はっきりと境界線を引いて区別できるものでないことは、分かってもらえると思う。

潜在意識を理解していくという事は、このように見えない世界を言葉で置き換え、そしてそれから形成される心的な感じによって、潜在意識の構造を自分なりに見つめていかなければならない。

そして、この構造が、理解する度合いによって順序としての言葉から離れ、それからは意識で理解するようになるのだ。

こういうと大変難しいと思うかもしれないが、これは時間をかけて理解していくもので、徐々に分かっていくものである。

どんな人であっても、潜在意識を見せることはできないし、また少しの言葉で理解させることもできない。

しかし、一旦達した意識レベルは、たとえ一時的にレベルの低いわき道にそれたとしても、早く元の意識レベルに復活させる事は可能であり、決して消えてなくなるものではない。

私は、いつも無意識や霊的な体験で得た事を基礎にして、自己の意識レベルを上げてきた。

無意識の世界に踏み込むと、何かは分からないが「智慧である意識」が実在していることを感じるのである。

私は、一般的に人の考える未知なることが在るか無いかということについては、あまりこだわっていない。

この先私が説明していく事は、霊界・神・魂・生まれ変わり・無意識界などを当然の真実として、これら全体を含んだ意識で考えているものである。

このような意識でしか説明できないことがあり、この世だけに関わっていると、何の答えも出ない。
すべては、自己の内にあり、無意識すなわち真の生命の中にある。

私は、内なる世界を、人間自身のことに限らず、「すべての真の姿や答えが用意されている世界」であると確信している。

もはや我々は、潜在意識の世界をわけの分からない世界にしておくより、少しでも近づけられるように意識的努力をしていくべきなのである。

潜在意識を理解するための意識的努力とは、何か特別な事をするのではなく、これから私が載せていく内容について、良く考えていくという事である。

もちろん他の方法でも、潜在意識を理解するものであれば構わないのである。

私は既に始めているが、「潜裡眼」のなかでしばらくの間続けて行こうとしている内容は、我々が潜在意識の理解を増すために必要なことである。

それは、潜在意識を理解しようとしているあなたにとって、大きな障害となっているものを崩すことなのである。

自分の深層意識の中にある、混乱した何の真実も根拠も無い多くの固定観念は、いつも何かを真に理解しようとする時、「何かが分からない」といった無意識的感じとなって反発するのである。

我々は、多くの書物から自分に役立ちそうな知識を集め、それをうまく適用させて幸福な人生を維持したいと考えている。

自分の願望を実現させるために、人はいろいろな言葉を捜し、それに触れる。

勇気の出る言葉、夢のある言葉、美しい言葉、真理の言葉、我々はこのような言葉で感情的に高揚する。

しかしその想いは長続きせず、何かは分からないが、いつも心に何か引っかかるものが残ってしまう。

沢山ある成功の法則も、自分に必要なものだけを実行すればいいのか、それとも全体を知り尽くす必要があるのか、その判断自体できないので困る。

人は、いい言葉以上に本当に知りたいことがあるのだ。

それは、「どうすれば、実現させる意識になれるのか」、「どうして実現するのか、その根拠は」、「言っている事はもっともだけど、何かが分からない」、「成功・実現ばかりの話もいいけど、もっと信じられる何かを教えてほしい」、「いい言葉、きれいごとはいい、自分もただ同じ思いを持つだけでいいと言うのか」など他にもあるだろう。

ただこうすれば、こういう思いでいれば、潜在意識に入り実現すると言われても、人はどれだけその言葉を素直に受け入れる事ができるであろうか。

これが頭では分かっていても、何かが分からないという思いになるのである。
我々は、これを解決できない限り、一生本当のことを理解することは出来ないのだ。

もし我々が、これらの疑問が解決できれば、また左右されることもなければ、もはや何かに頼るという事もなくなる。

一人一人の成功実例を集めたものが、自分の成功につながるとは限らない。

ある目的に向かって同じような経過をたどっている者たちの中でも、一人は成功し、他の者たちは、なかなかうまく運ばないという事がある。

ちょっとした違いで、成功と失敗に別れ、それを運があった、無かったということで片付けてしまう。

運を偶然の産物としてしまえば、努力するということは、何の意味もなくなる。
我々が、運として片付けてきた悪習慣に、これからも従っていく限り自己の大きな成長は望めない。

要するに、運も素質も要素も、基本的には同じ働きの中に属するものである。

マジックには、タネも仕掛けもある、同様に潜在意識にもタネと仕掛けがある。

それは、「どうしてそうなるのか」という答えであり、潜在意識にある普遍の法則である。