実現の法則

No. 1 実現の法則

人は、いつも自分の願望が実現することや、自分の挑戦が成功することを願っている。

実現を願う思いは、人生を生きていくあらゆる場を埋め尽くしている。
小さな願いから大きな望みまで、ひとつでも多くかなえられる事は、人の幸福にもつながることである。

願望実現に関する本もたくさん出ているが、私はまだ一度も読んだことがない。
今回はじめて、ざっと実現の方法を調べてみたが、いろいろな方法があった。
それを一つ一つ分析する気にもなれないくらい多い。

今回調べた中で一番多いのは、「イメージを使い潜在意識に働きかける事によって自分の思いが実現する」ということだった。

成功した人の話で共通しているのは、努力をしていることと、独創的な見方というかその人の意識である。
実現に対する強い思いやイメージなどは、すでにその人の意識になっている感じがする。

また、成功や実現を願う気持ちは、どの人も同じくらい強いだろうから、多くの失敗した人たちが、このような思いや意識に欠けていたとは思えない。

では、どこに成功と失敗、また願望実現の分かれ道があるのだろうか。

実現を目指すのに、成功した、願望が満たされたイメージを持つことは、ポジテブな意識状と共に必要なことである。

これは、基本で誰も疑う事はないだろう。
この他にも、自分がやりやすい潜在意識に働きかける方法もあるだろう。

しかし、私が認識している潜在意識は、こんなことで簡単に実現させてくれないと思っている。
人は、早く簡単に出来る方法を求めたがる。
私からみれば、潜在意識をかなり甘く見た考えだ。

私は、イメージというものをいつまでも持ち続けない。
願望実現を目指す多くの人は、成功のイメージにとらわれすぎるのではないか。

いつもイメージするというが、それほどしなければ潜在意識に入らないのだろうか。
私が思うには、潜在意識ってそんなにバカなのかということになる。

潜在意識に働きかけるには、もっと大事なことがあるのではないか。
成功した人の話は、実際それほど参考にはならない。

あまりにも多くの成功例は、自分自身を空想の世界に引き込ませる。
その話は、気持ちが良くなり、その気にならせる自己暗示の力があるからである。

この場合の自己暗示には、注意が必要だ。
仮に、成功した人が、その実現を成功させるための潜在能力がすでに生まれながら備わっていたとしたら、我々は同じようなことは出来ないという事になる。

実現を目指すのは、自分自身である。
自分と他人は違うのである。
意識も魂も、決断の時の考えも。

自分の内から出るものは、自分自身のもので、自分に無いものは出しようがないのである。
必要だからといって、すぐに潜在意識の中に組み込むことも出来ないのである。

単純なイメージ訓練だけで実現出来た人は、すでにその要素があったからだ。
実現を目指すために大事なのは、努力することと信じられる自分をつくることだ。
その過程において、成功のイメージは潜在意識になっていくだろう。

願望の実現が、潜在意識と密接に関連しているのは事実である。
しかし、この法則を適用しようとするなら知っておかなければならないことがある。

「イメージとは何か」、「潜在意識とは何か」ということだ。
ほとんどの人は、知識として漠然と潜在意識を知っているだけである。

はっきり知らないと言う事は、すでに自分の中に(潜在意識に)確信が持てないという事になる。
本当は、前にある潜在意識に働きかけなければならないのに、横向きに集中しているかもしれないのだ。

知らないものに、どのようにして焦点を合わせるのか。
ただ、イメージすれば潜在意識が自動的にやってくれるのか。

結局、潜在的に一生懸命合わせているのは、漠然とした想像ということになる。
よく理解しないでやるという事は、このようなこともあり得るということだ。

その結果、ほとんどの人がうまく行かなかったとなるのである。

大事なのは「要素」である。
これに含まれるのが、真剣さと信じきる事。
これは、深く潜在意識を知っていることと同じくらい重要なことになる。

言葉としての真剣さや信じきるということは、ほとんどの人がその程度をどのくらいかと考える。
潜在意識に働きかけるには、自分の意識がこの中になければならない。

それに成り切るという言葉がある。

反対側(潜在意識)から見れば、どの位真剣に求めているのかと言う事になる。
イメージにとらわれるのなら、このことを真剣に考えたほうがまだ得る事がある。

潜在意識がちょっとしたテクニックですぐに変わるようなものであれば、人間自身を保つことは困難になってしまうのだ。

スポーツ選手のイメージトレーニングは、要素の一つである。
彼らは、今の能力に至るまで厳しい練習と努力をして、さらに自己のレベルアップを求め、実現させたいイメージにあわせて真剣にやっている。

この意識状は、出来るかどうかという考えより、強く信じてやるしかない。
これでも、思い通りにはいかない方が多いのだから、一般的に求める願望実現はより難しくなるのは当然である。

願望の実現が潜在意識に密接に関わっているのなら、潜在意識を深く知り尽くせばいいのだ。
しかし知ると言っても、潜在意識は意識であって知識だけで理解できるものではない。

意識を知るためには、意識で近づくしかない。
潜在意識は、人間のすべてに関わっている。
生きている事自体が潜在意識の表れである。

何ヶ月か何年か先に、潜在意識のことを多く知った自分の意識状態が、そのときの意識的に向上した自分ということになる。

以前に、「自分に投資する」という言葉が良く使われていた。
自分の人生や仕事に役立つこと、またいろいろな自己啓発という意味もあるだろう。

しかし、真の自分自身であり、全ての力と未知なる世界との中継点である潜在意識の理解は、人生を通して自分の内なる目的となればその成果も大きなものになるはずである。

潜在意識と願望実現の関係は、人間が死ぬ直前まで続くのである。